FTL: Faster Than Light

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年末に日本語化され興味があったので「FTL」をプレイしてみました。
2名の開発者によってKickstarter支援を経て作られ、その完成度の高さから非常に有名になったタイトルです。
リリースが2012年、8年近くかけてやっと正式にローカライズされたという事になるので言語の壁ってデカいなと思わざるを得ないです。
2020年中に「IANTO THE BREACH」も日本語化されるらしいので、注目していた人は情報をチェックしておくと良いかもしれません。

FTL: Faster Than Light

OVERVIEW

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プレイヤーは或る宇宙船の船長として貴重なデータを届ける為広大な宇宙を駆け巡ります。
途中様々なハプニングに出くわし、反乱軍に追われ、時に宇宙海賊と火花を散らし、最終的には反乱軍旗艦船に反撃の一撃を加えるのが最終目標となります。
導入部分、各イベント等は全て”テキストのみ”で表現される為、ある種ノベルゲームのようであり、マス目を進めながら進行するのでボードゲーム的な側面も併せ持っているのが特徴です。

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テキスト中心のゲーム展開は常に静的でビジュアル表現に非常に乏しいです。
音楽が独創的で良い感じなのがせめてもの救いではあるものの、全体的にあまりに表現力に欠けます。
ただ、これはこれである意味忘れていた何かを思い出させてくれる何やら古典的な力を持っており、プレイヤーのイマジネーションを掻き立てる独特の雰囲気を作り上げることに成功しているのも確かではあります。

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道中で起こる様々なイベントはランダム配置され、多くは選択式となっています。
特に正しい行動をしたからといって良い結果が得られるわけでは無く、淡々と冷静に語られる出来事の内容と結果は常にランダム、とても現実的で時に温かく時に冷淡です。
プレイヤーは「生き延びる」というただその一点のみに貪欲に正直に選択すべきで、別に宇宙の勇者になる必要は全く無いです。
リアルで写実的なテキストイベントの数々はFTLの独特の魅力の一つですが、何の方向性もメッセージ性も持たないひたすらランダムなイベントにいったい何の意味があるのか多少疑問に思う部分はあります。
プレイヤーが一貫した理念に基づいた選択を続けたとしても結果は常にランダム、そういった意志に応えてくれるようなアルゴリズムは何も無いからです。

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道中様々な場面で海賊や反乱軍、無人衛星等と戦艦バトルを交える事になります。
相手は追い詰められると停戦交渉を持ちかける事があり、物資や人員の譲渡と引き換えに戦闘を終わらせる事も出来ます。
やはりここでもプレイヤーは慈悲深くある必要は無く、常に「生き抜く」為に有効な選択を選ぶ事が攻略の鍵となります。

また、宇宙空間では鉄屑スクラップが重要な資源であり、これを元に商人と取引をする事も可能です。
あらゆるイベントや戦闘同様、船体の状態とスクラップについてもプレイヤーは厳しく管理して行く必要があります。

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さて、FTLはとても頭脳派なノベルライクボードゲームと言えると思います。
常に数手先を読み、テキストイベントを受け流し、上手く駒を進めながら出来るだけ船体を有利な未来へ冷静に導いて行く。
果たして「ゲーム」と呼んで良いのかどうか、半分IQテストみたいな感じすらもあり、良い表現では無いけど「意識高い系戦略ゲーム」というと分かり易いかもしれない。
ゲームとして面白いかどうかと言われるとちょっと疑問で、自分の知能を試されているようであり、テスト問題に挑むみたいな、そういった挑戦欲を駆り立てる部分があり、それが面白さと混同されている部分があると個人的には思います。

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FTL: Faster Than Light

BATTLE

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FTLで何より重要なのはやっぱり艦隊バトル。
アクティブバトルなので基本常に戦況は目まぐるし変わりつづけるんですが、いつでも一時停止して指示を出せるのでその辺は良心的。
この一時停止は重要で、被弾直後等、常に一旦止めて状況を確認、ゼロディレイで的確な対応をとるのは戦闘の基本となります。

バトルシーンに於いて重要なパラメーターとしては・・・
・船体HP
・シールド
・操縦席、エンジン、シールド、兵器格納庫等々、各部屋の状態
・自船兵器の照準と駆動状態
・船員の配置
・敵船の武装と状態
等々・・・
火災や亀裂、酸素不足、敵船員の侵入、etc、プレイヤーは各種情報を把握分析し非常事態に臨機応変に対応しつつ、速やかに敵艦を撃沈、若しくは降伏に持ち込む必要があります。
特に強い敵と戦うと脳ミソがフル回転すること請け合いです。
僅かな判断ミスや一瞬の操作の遅れで船員を失ったり、まさかの敗北を期したりするので気が抜けません。
場合によっては戦闘自体を回避する事も大いに有効である為、その辺は良く考える必要があります。

このバトルについてもゲームとして面白いかどうかは何とも微妙。
兵装は多彩で戦略にも色々あるので楽しめる部分もあるんですけど、どうしても演出的に弱いので頭だけを使っている印象が強いです。
なのでやっぱり頭脳テストみたいな感じが・・・

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FTL: Faster Than Light

SYSTEM

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プレイヤーの強さというものがあるとすれば、FTLでは船体の種類によってその初期値と上限が決まってくるようです。
基本新しくアンロックされた船体で一度ゲームをクリアする事で次の新しい船体がアンロックされて行きます。
僕は今回難易度EASYをクリアしたのみなので確証は無いんですが、高い難易度に挑むには強い船体が必要なので、アンロックされた新しい船体で複数回ゲームをクリアし続けなければ最高難易度に挑むのは難しいようです。

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船体はスクラップを使用して各機関を強化する事が可能。
また、機関に対応する船室へ船員を配備する事でも強化できます、エンジン室に人を配置すると回避率とワープのチャージ時間が上昇するみたいな。

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船体の兵装は大別して「兵器」「ドローン」があり、兵器の中にもレーザー、ミサイル、イオン、クラップ等、ドローンの中にも攻撃型、防衛型、敵船特攻型等、様々な種類が存在します。
また、敵船を攻撃する手段は兵装だけでは無く、船員を送り込んだり、敵の船員を洗脳したり等、他にも幾つか方法があります。
これら兵装の他に船体に拡張パーツを装備する事で最大三つのパッシブな追加効果を得る事が出来ます。

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また、船員にもいくつかの人種?というか種族が存在、修理が得意だったり戦闘が得意だったり、中には最初から突出したスキルを持った船員に出会う事もあります。

やはり戦艦バトルメインのゲームなのでそれに関するシステムが殆ど。
兵装は結構豊富で敵船を追い詰める方法は多岐に及び戦略の幅は広い。
システムは細かーく良く出来ている印象。
それぞれの効果は大きく無いものの・・よくよく考えると実は大きな利点を得る事も出来るという、全体的にはシステムもとても頭脳派という印象です。

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FTL: Faster Than Light

ANALYSIS

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まずこのタイトルは非常に難しいゲームです、おそらく特に最初は、とても。
また、そのライトっぽい印象とは裏腹に膨大な時間を消費するゲームです。
一通りのゲームクリアまでは2時間程ですが、大概1時間以上プレイしたところで死んでしまい、それを何度も繰り返す事になるので気が付くとあっという間に寝る時間が無くなります。
僕が何より厳しいと思うのは、ランダムなイベントやマップ、それら多くのローグ要素がもたらすプレイヤー強化の振り幅の広さに対して、クリアに必要なハードルが高すぎるという点です。
微妙なカードを引かされながらギリギリ頑張って最後まで行くぐらいでは100%ラスボスで死にます、ラストを乗り越えるには良いカードを引き続ける必要がありますが、それをプレイヤーがコントロールする事は出来ません。
また、最後で死んでしまえば殆ど何もアンロックされず何も引き継がれるものが無く、道中の過程に楽しさや何らかの意義があるわけでも無いという点もとても痛いです。
ランダムイベントの多様性と選択肢には「種類が多い」という以上の意味が無く物語性等は期待できず、究極的には内容がどうあれ結局物資が得られれば良いだけなのでどんどん読まなくなるのも辛い部分。

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思うにFTLというゲームは「ながらゲー」にとても向くんじゃないかと思います。
非常に描画負荷が低いのでノートPCの内臓GPUで充分動くし、一時的に手を放しても問題無いのでちょこちょこプレイできます。
このタイトル一つに集中すると死んでしまった時の時間的喪失とやる気消失感が半端無いのであまりお勧めできない感じです。
あとは、アクション性が低くボードゲームっぽい内容から結構高齢の人とかでも楽しめる可能性があり、年齢層を選ばないゲーム性という点では評価できると思います。

その価格を考慮すれば良く出来たタイトルで雰囲気と音楽はかなり良いです。
しかし、かと言って決してそれ程ゲームとして楽しいかというと正直そんなにお勧めは出来ない所。
今作が誕生した経緯や環境、それらを含めた社会的見地から評価されているタイトルなのかなと個人的には思います。
イメージとしては本当に静的なノベルゲーム、ボードゲームに近いので、それらのジャンルが好きな人は楽しめるかもしれません。

[ 64 ] グラフィック
[ 81 ] 音楽
[ 70 ] ストーリー性
[ 82 ] システム面
[ 75 ] 操作性
[ 73 ] 難易度バランス
[ 74 ] ボリューム
[ 83 ] プライスパフォーマンス
[ 70 ] 熱中度
[ 71 / 100 ] Total Point

FTL: Faster Than Light [ Analysis ]

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FTL: Faster Than Light

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