Prey
夏のSTEAMセールで購入した「Prey」をレビューしてみようかと思います。
ボーダーランズ2でFPSの面白さに目覚め、ボダラン2の3週目ソロ無理ゲーバランスによって終わったマイFPSブームだったんですが・・・
なんかそれっぽいのがやってみたいという事で「Prey」を入荷してみました。
Preyは戦闘スタイルこそFPSですが、内容的にはバイオ的な、サバイバルホラーアドベンチャーというジャンルに分類されるゲームだと思います。
これ系のゲームって言うと、個人的にはあんまりプレイ歴が無く、PS1のバイオ(初期作)が記憶にあるぐらい、あとジャンルは違うけど夢見館とかエネミーゼロとか。
純粋なアドベンチャーは結構プレイしていたりするんですが、バイオ系は中々縁遠い存在だったりします。
今回夏だしFPSだしという事で、久しぶりにこれ系のゲームをやってみました。
ストーリーと背景とか
プレイヤーは社長の息子として、とある宇宙船搭乗場訓練の真っ最中。
そんなプレイヤーの或る一日から物語は始まり、やがて「宇宙船タロスI」を舞台とした大バトルへと発展して行くことになる。
閉鎖された空間の中で、得体の知れない化け物と戦うというシチュエーションはこういったゲームのまさに定番。
メインとなるストーリーは分かり易く単純だが、それらを裏付けるデータと資料はとても豊富。
宇宙船内にある様々なオブジェクトやテキストデータ等から「Prey」の細やかで丁寧な背景作りの良さが感じられる。
また、様々な動作やイベントが画面の切り替え無しにシームレスに展開するのもPreyの特徴で、とても自然でリアルな仮想現実を上手く表現している。
Preyは同じようなサバイバルアドベンチャーと比べると、かなり戦闘に寄った作りをしている。
ホラー要素も控え目。
ストーリーもガッツリ追い続けるというよりは、戦闘と並行して存在しているような、バトルと共に添えてあるような印象。
その変わりアクション性は非常に高く、動きも本格的なFPSそのもの。
アクティブで激しい戦闘が随所で繰り広げられる事になる。

ストーリーはメインとサブがあり、サブの進行具合によってメインストーリーの肉付けの部分に影響してくる。
味気なくメインの目的だけを達成するか、それとも野暮用に振り回され何かそれ以上のものを得るかはプレイヤー次第。
全体として見ると、舞台背景は非常に緻密に良く描かれているものの、ストーリー展開はやや平坦であり胸を打つようなイベントに欠ける。
殆どのイベントが余り抑揚無くスルッと受け流されてしまうような感じで、もう少し人物にクローズアップする部分が欲しかった。
ただ、ラストの終わり方から推察するに、これはこれでこのゲームらしい、正に「Prey」らしい特徴とも言えるのかもしれない。
プレイした感じ
かなり戦闘に寄った内容でいて、それらのバトルシステムが話の展開上違和感無くゲームに溶け込んでいる感じはとても秀逸。
音声、テキスト、共に完全日本語化、チュートリアルも充実と、変則的な世界観と少し複雑なシステムでありながらプレイに困る事は少ない。
この万全のプレイヤーへのフォロー体制は100点満点の出来栄え。
難易度はノーマルで序盤~中盤は結構難しく、わりとすぐ死ぬ、しかも大体即死。
しかしまあ何処でもセーブできるのでストレスでは無い。
それよりも問題なのはリソース管理。
正直、弾が無限に撃ちまくれるなら難しくも何とも無いが、中盤まではとにかく極度の弾薬不足状態。
しょうがないので色々知恵を絞って切り抜けるしか無く、良くガスボンベをブン投げる事になるかと思われる。
他にも色々敵を切り抜ける方法は用意されており、必ずしも敵を倒す必要は無く、プレイヤーが四苦八苦しながら騙し騙しピンチをやり過ごす必要がある。
しかしどうしても弾が欲しい場面もあり、序盤でバンバン銃を撃ちまくると中盤大ピンチに陥る可能性も・・・
何をするにも資源が必要で、それらは有限であるという点を常々念頭に置いてプレイする必要がある。
ストーリーは基本一本道、ただそこに至る方法は無数に存在している。
どう進んでも最後には整合性が取れるように設計されている。
ただ・・・その弊害なのか、宇宙船自体が意外にもとても巨大であり、各エリアの繋がり、構造が複雑でマップがあっても行く先が非常にわかり辛いという点が目についたりもする。
基本は誰もが決まったルートを辿るタイプのゲームではあるものの、そういったジャンルのゲームとしては非常に自由度が高く攻略に幅がある。
また、FPSとしても秀逸であり、似たゲームは多くあれ、その中でも個性あるゲームとして輝いている。
アクション
Preyのアクションは基本はオーソドックスなFPS。
動作や操作性は極めて良好、武器の射撃感や反動、リロード動作等、完全にFPS。
武器は主にピストルとショットガン、格闘レンチ、後は手榴弾系。
また、敵をスコープでスキャンする事によってPSIと呼ばれるサイキック攻撃を覚え、使用する事が可能。
ロックオンは無く、照準は完全に自分でコントロールする必要がある。
スコープで敵をスキャンし、弱点をしっかり確認しながら戦闘を進めると大きな弾の節約に繋がる。
戦闘の頻度はそこまで高く無いが敵自体が非常に手強く、即死する事もしばしば、一つ一つの難所を様々な武器やサイキックを使用して切り抜けて行く過程はとても面白い。
ストーリに沿って取って付けたようなアクションでは無く、骨太で本格的なFPSが楽しめるのはPreyの特筆すべき特徴と言える。
システム面
プレイヤーは基本的に「ニューロモッド」というアイテムを使用し、スキルを開放する事でパワーUPして行く。
また、PSI、サイキックスキルの開放にはスコープによる敵のスキャンが必要。
スキルはカテゴリー毎に分類された緩いツリー構造を持っており、おそらく、全てのスキルを取得する事は無理、必要なものを取捨選択し習得する事になる。
プレイヤーが着ているスーツ、また、スコープにはチップのようなものをインストールしパッシブ能力を色々と自分で選ぶ事が出来る。
いずれにしてもプレイヤーが楽をするにはマップ上に点在する「ニューロモッド」を集める事が必須。
ゲーム中には様々なテキスト、及び音声データが存在し、これらは全て履歴としてストックされ後で閲覧できる。
FPS好きなら
FPS要素が強いという事、ここはまず念頭に置いておきたい部分。
ストーリー面は若干弱い為、そういった面での満足度を求める人にはあまり向かない。
また、FPS色が強いとは言え、そんなにリピート性が高いというわけでも無い、基本は一度クリアしたらそれまでといった趣が強い。
しかし、スリリングで秀逸なFPS要素は魅力的で、この部分に魅力を感じる人であれば十二分に楽しめるゲームと言える。